担当:森田千尋(副センター長)
諫早市は、平成17年の市町村合併により市域が約2倍に拡大したことに伴い、管理すべき公共施設が増加するとともに機能が重複する施設や老朽化が進んでいる施設を多数保有することになった。さらに、九州新幹線新駅設置や長崎国体の開催に合わせた開発により近年投資的経費が増加しているが、平成27年度からは合併に伴う普通交付税が算定替えにより段階的に減額されることなど自治体財政の見込みは厳しく、今後は投資的経費を大きく削減しながら、現在の公共施設を維持・管理・更新していくことが求められている。こうした地方の合併自治体特有の課題を抱えている地域において、「道守」事業などで実績のある当センターとの連携により公共施設マネジメントに取り組む事で、自治体の財源・人材不足に対応した効率的な公共施設のマネジメント方策を検討している。具体的には、以下の3点について検討する。
①簡易劣化診断及び施設評価手法の検討
全国の自治体で厳しい財政状況が続き、公共事業が減少する中、地方においては自治体職員だけでなく、民間企業においても、公共施設等の維持管理・修繕・更新ができる技術を持った人材が不足している。長崎大学を中心とした産・学・官の共同研究体制により、短期間で実施可能な施設評価の仕組みを構築する。
②計画策定後の推進方策の検討
長崎大学が開発した「道守」の仕組みを公共施設等総合管理計画に連動させることにより、実現性と継続性を有するPDCAサイクルの構築を目指す。
③公共サービス水準の維持・向上や財政負担の軽減を実現する民間活力導入手法の実現
公共施設等のパッケージ化と民間ノウハウを最大限活用できる契約方式(CM方式等)の導入等により、公共施設マネジメント分野における新たなビジネス機会の創出を目指す。